神経ブロックとは
神経ブロックとは、主に「痛みを取る」ことと「診断する」ことを目的とした注射です。
痛みの原因となる神経の近く（神経そのものを刺すわけではありません）に局所麻酔薬やステロイドを注射します。
神経の炎症を抑え、自律神経の機能を改善することで、組織の血流を改善し、神経や組織の修復を促す治療です。
痛みのため動かすことが出来なかった筋肉や組織の血流が改善され、痛みの原因となる発痛物質を洗い流すことで「痛みの悪循環」を遮断します。
また、神経ブロックを行い、痛みが緩和されるかを確認することで原因が診断できる場合もあります。
当院ではレントゲンや超音波装置を積極的に利用して、痛みの原因となっている場所を特定し、安全で正確な神経ブロックを行っています。 注射する針も出来るだけ細いものを使用し、痛みの少ない神経ブロックを心がけています。
神経ブロックの効果
| 知覚神経ブロック | 除痛効果 |
|---|---|
| 運動神経ブロック | 筋弛緩効果 |
| 交感神経ブロック | 血流改善効果 |
主な神経ブロック療法
の種類
- レントゲン透視下ブロック
- 超音波（エコー）ガイド下ブロック
レントゲン透視下ブロック
レントゲンを使用することで、痛みの原因となっている部位を特定して注射を行います。
リアルタイムに針先を確認し、造影剤を少量使用して注射を行うことで精度が高まり、薬の広がりも確認できるので、正確かつ安全に治療することができます。
また造影剤の広がりから、神経の圧迫や関節の変形なども同時に調べることができ診断にもつながります。
当院ではCアーム装置を導入しており、必要に応じてすぐに神経ブロックを行うことが可能です。
主なレントゲン透視下ブロックの
種類
- 硬膜外ブロック（頸部、胸部、腰部）
- 神経根ブロック（頸部、胸部、腰部、仙椎）
- 椎間関節ブロック（頸部、胸部、腰部、仙腸関節）
超音波（エコー）ガイド下ブロック
超音波装置を使用し、画像をリアルタイムに確認しながら行うブロック治療です。
痛みの原因となる部位を確認し、血管や神経を確認しながら安全に注射をすることが可能です。
同時に組織や関節の変形などが詳細に確認できるため、診断にも使用します。
超音波ガイド下ブロックには以下のようなものがあります。
- 星状神経節ブロック
- 腕神経叢ブロック
- 肩関節（肩峰下滑液包）ブロック
- 仙腸関節ブロック
- 坐骨神経ブロック
- 膝関節ブロック
- 腱鞘内ブロック
- 筋膜リリース
神経ブロック療法が
適さない人
- 神経ブロックを受けたくない人
- 出血傾向のある人や、血をサラサラにする薬を内服している人
（内服薬によっては可能な場合もありますのでご相談ください） - 局所麻酔薬や造影剤アレルギーの人
- 発熱や感染がある人
そのような患者様に対しては薬物療法（内服・点滴）や物理療法、リハビリなどで治療させて頂きます。
神経ブロック療法をお受けになられる患者様へ
- 神経ブロック後の乗り物の運転は危険が伴います。
クリニックにお越しの際は、できるだけご家族の方の送迎、公共交通機関のご利用をお願いします。 - 神経ブロック後は安全確認のため、10～60分程度（ブロックの種類により異なる）安静にしていただいております。
詳細は医師にお尋ねください。
